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ITSの動向とNECの取り組み
(第2回)


(第1回)
(第2回)


3.NECの取り組み

NECのITSへの取り組みについてご紹介させていただく。なお、NECの具体的な技術事例については、次章の「研究結果・事例紹介」も合わせてご覧いただきたい。

3-1 安全・安心への取り組み

NECでは、道路に設置された赤外/可視カメラから取得した道路の状況を分析し、リアルタイムでドライバーに提供するシステムの開発を行っている。
 これは、センサーが捉えた道路の状況(事故車・渋滞・凍結など)を、路車間通信および車々間通信を用いて車(ドライバー)伝達し、必要に応じて自動的な減速や停止を行うものである。
 まず、このシステムの眼となるセンサー部分について述べる。NECでは、可視光線用と赤外線用のカメラを併用し、さらに検出性能を向上させるためのアルゴリズム改良を行うことで、さまざまな環境化での高い認識性能を実現している。霧や雨などの悪天候はもちろん、西日や樹木の陰、夜間のヘッドライトやデリニエータ反射光(視線誘導標が路面に照り返した光)などの影響を低減し、道路状況を的確に捉えて、誤差の少ないデータを送出することができる。

図8 道路状況把握センサ(赤外センサの開発)

図8 道路状況把握センサ(赤外センサの開発)

続いて、車両情報を伝達する通信について。
 ドイツでNEC、ダイムラークライスラーやシーメンスなどが参加した「FleetNet」プロジェクトではNECの車々間ネットワーク技術が使われている。センサーからの情報は、車々間通信によってバケツリレー式に後続の車に伝えられる。つまり、走行中の車両を中継ノードとしたアドホックネットワークが形成されるわけである。
 FleetNetでは車々間通信において、車の位置情報を利用して最適な通信経路を確保(ルーティング)し、充分な通信速度を得ることができる。位置情報を使わない通信方式では車両間の距離が大きくなるほど、途中の中継車両で情報を取りこぼす可能性が高くなる。しかし、位置情報を利用したルーティングを使った高速道路環境でのシミュレーションでは、これが大きく改善できるという結果が出されている。

図9 道路状況把握センサ(赤外センサの開発)

図9 道路状況把握センサ(赤外センサの開発)

これによって、渋滞や事故車などの情報を通知して後続車の危険を回避することはもとより、周囲の交通情報を組み合わせて、最適なルートの提供を行うことも可能となる。路側のインフラを中継してインターネットへ接続すれば、より大きな可能性が見えてくるだろう。
 FeelNetの後継プロジェクト「now(Network on Wheels)」でも、NECはダイムラークライスラーやフォルクスワーゲンとともに、車々間通信の実用化に向けた機能開発と検証、ドイツでのデファクト化などを進めてきた。現在は、日本の自動車メーカも参入する「CAR 2 CAR」において、規格のグローバルな展開を目指している。この技術を車載通信端末(モバイルルータ)に取り込んでいくことを狙っている。

3-2 環境への取り組み

車載センサーからの情報(プローブ情報)を車外に発信し、集約することで、さまざまな可能性が生まれてくる。そのひとつが、NECが名古屋大学などと連携して研究開発を進めている、P-DRGS(Probe-Dynamic Route Guidance System)である。プローブ情報をカーナビの機能と融合することで、車速データなどから旅行時間を予測し、動的なルートのナビゲーションが可能となる。

図10 カーナビとプローブ機能の融合

図10 カーナビとプローブ機能の融合

また、プローブ情報に基づいて燃費やCO2の排出量を算出することで、環境に配慮したエコロジーな運転を実践するようドライバーに促すこともできる。
 これは、車載センサー送り出される各種の情報(エンジンのON/OFF、走行距離、燃料の噴射量、車速、GPS情報など)をAPSセンターで取りまとめ、NECのエコドライブ診断システム「DriveManager」によって診断。その結果から、よりよい運転をするためのアドバイスを生成し、携帯電話やパソコンの画面でドライバーへ提供するというものだ。
 余談ながら、急発進や急加速(急ブレーキ)、空ぶかしといった乱暴な運転は、他者に迷惑なだけでなく、燃料を無駄にし、余計なCO2を発生させる。ハンドルを握るとき、エコドライブは安全運転に他ならないことを忘れたくないものである。

参考:「DriveManager」によるエコドライブの効果

3-3 利便性への取り組み

現在、インターネットを利用して、多種多様な事業者がサービスを提供している。インターネットと車の接続基盤(プラットフォーム)があれば、ほとんど無限に近いコンテンツが車に流れ込んでくるだろう。そこにはどんな可能性があるだろうか?
 NECでは、経済産業省や慶応大学、他の民間企業ともに、「どんな車でも、いつでもどこでもインターネットに接続できる、共通のルールを持つインフラの実現とアプリケーションの開発」を目指し、「インターネットITS」の実証実験に2001年度参加した。その後、発起人として設立されたインターネットITSコンソーシアムのメンバとしてソリューションの提供に取り組んでいる。

図11 インターネットITS

図11 インターネットITS

インターネットITSが目指すのは、乗用車はもちろん貨物車、工事車両、バス、タクシーといったすべての車が、あらゆる無線通信網(電話網、ケーブルTV網、電力系網、衛星通信網、官公網など)を使ってインターネットにつながる社会である。

インターネットへの接続インターフェースを標準化することで、開発費や機器費を低減し、安価な車載機や安定したシステムの構築を目指している。接続の基盤が作られれば、インターネットから莫大なコンテンツが流れ込んでくる。もちろん車側から発信される情報も従来とは異なる形で活用されていくだろう。いままでの環境では単独で成立し得なかったビジネスや、これまで想像できなかった突然変異的なビジネスが現れてくるはずだ。

図12 一つの端末で様々な場面でのサービス提供

図12 一つの端末で様々な場面でのサービス提供

上図のように、駐車場やガソリンスタンドといった、従来から車に親和性の高いビジネスはもちろん、ドライブスルーでの自動支払いや車内で楽しむための音楽のダウンロード、走行位置や目的地に応じた交通・天候情報の提供、さらには車両を個別認識することにより効果の高い広告やクーポン券の発行なども考えられる。
 インターネットへの接続については、すでに1500台規模の実車走行実験で良好な結果が得られているという。車載器の標準化が進み、路側の通信インフラが整えば、車がインターネットに組み込まれる日も遠くないだろう。
  この他、利便性への取り組みについては、歩行者ITSによる自律移動支援プロジェクトがある。こちらについては「4. 研究成果・事例紹介」でご紹介させていただく。

4.研究結果・事例紹介

INSに関連する、NECの具体的な技術事例についてご紹介させていただく。

4-1 「ロードウォッチャー」赤外線画像処理

最初にご紹介するのは、可視/赤外ハイブリッドカメラを使ったINSソリューション「ロードウォッチャー」である。 「ロードウォッチャー」は、NECが独自開発した可視光線用と赤外線用のカメラを併用したハイブリッドカメラで、道路状況を監視するシステムである。
 カーブ区間などに設置された可視/赤外ハイブリッドカメラで得た映像情報を基に、交通状況や路面状況をリアルタイムにキャッチし、管理事務局などの端末に提供することができる。道路の維持や管理の効率化はもとより、「3.NECの取り組み」でも触れたとおり、ドライバーに事故車情報などの多彩な情報を提供することが可能である。
 従来の道路監視システムは、可視光線の映像を画像処理して道路・路面状況を判断していた。このシステムでは、昼夜の明暗差、西日やヘッドライトなどの反射、濃霧などの天候状況といったさまざまな環境の影響を受けやすく、安定した検出精度を確保することが難しかった。
 「ロードウォッチャー」で採用されている可視/赤外ハイブリッドカメラは、可視光線用のカメラで道路状況を捉え、赤外線用のカメラで車の発熱(エンジンの熱やタイヤと路面の摩擦熱)を捉えることができる。この2つの情報を取りまとめて処理する事で、可視カメラのみのシステムより周囲の環境から受ける影響を減らし、高い精度で道路の状況を把握する事ができるのである。

図13 一つの端末で様々な場面でのサービス提供

図13 一つの端末で様々な場面でのサービス提供

「ロードウォッチャー」で検出できる情報は以下のとおりである。
・可視画像・赤外線画像(熱放射線画像)
・車の走行状況(位置・速度)
・交通流(通過台数・平均速度)
・異常事象(停止車両・低速車両・障害物など)
・路面温度分布
・モルタル吹き付け法面剥離(劣化診断)
・路面状況計測

これらの情報を路上の情報表示板や視線誘導標(デリニエータ)に提供し、ドライバーへ伝えることができる。もちろんカーナビとの連携も考えられており、参宮橋のカーブで行われた走行支援道路システム(AHS)の実験では、ブラインドカーブの先にある渋滞や事故車を捉えてカーナビへ発信する大役を担い、良好な結果を得ているという。
 「ロードウォッチャー」はアプリケーションの入れ替えも可能となっており、将来のシステム拡張にも柔軟に対応していくことができる。 ITSソリューションの「システムの眼」として、今後も活躍が期待される。

4-2 歩行者支援ITS

国交省が進める「自律移動支援プロジェクト」は、ICタグなどの通信機を標識や点字ブロックに設置し、歩行者にさまざまな情報を提供するシステムである。このシステムを運用することによって、障害者や高齢者だけでなく、一般の歩行者や外国からの旅行者にも適切なサービスを提供し、すべての人の安全で快適な移動を支援する。つまり歩行者のためのITSである。目的地までの交通手段や周辺の情報といった基本的なサービスから、災害時の迂回ルートや緊急時のSOSの発信といった安全のためのサービスまで、さまざまなサービスを提供していくことが考えられている。

NECも「自律移動支援プロジェクト」に取り組み、さまざまなソリューションを提供している。具体的な事例として、まず無線情報標識「インフォサイン」をご紹介させていただく。
 無線情報標識「インフォサイン」は、携帯端末と連携し、歩行者に位置情報をはじめとする各種サービスを提供する情報サービス機器である。いままで、建物内や地下街など、GPSが利用できない環境化では、ICタグ(RF-IDタグ)や二次元バーコードなどによって位置情報を提供する方法が提案されていた。これらの方法では、情報を受け取るために歩行者が立ち止まらなければならないため、残念ながら円滑な情報提供の手段とはいいにくい部分もあった。インフォサインの素晴らしさは、Bluetooth®を利用し、歩行者の移動を妨げずに情報提供できる点にある。Bluetooth®による無線通信を行うことにより、歩行者はポケットや鞄の中に入れた携帯端末をいちいち取り出すこともなく、もちろん立ち止まることもなく、スムーズに情報を受け取ることができる。

図14 インフォサイン

図14 インフォサイン

インフォサインを使って提供できるサービスには以下のようなものがある。
・地下街などGPS衛星の電波が届かない範囲での位置情報の提供。
・屋内屋外を問わずシームレスな経路案内を実現。(経路の検索には歩行者ネットワークデータ(バリアフリー情報)を活用)
・店舗に設置して、広告や期間限定サービスなどの案内を提供。
・学校や塾に設置して、児童の登下校情報を自動的にメール配信。

ターミナル駅の地下街や駅ビルがますます巨大化し、郊外型のショッピングモールが増えている現在、GPSを使わずに位置情報を発信するインフォサインの潜在的な需要は非常に大きいといえるだろう。上記以外にも、さまざまなサービスが登場してくることが予想される。なお、本体は屋外にも設置できるよう防水ケースに収納されており、一般的な電源に加えて太陽電池からも電力供給できるように設計されている。設置や保守が容易に行えることも魅力のひとつといえるだろう。

次にご紹介する歩行者ITSソリューションは、既存の地図や絵地図を組み合わせて、Web上で経路案内を作成する経路作成ソフト「ルートビルダー」である。

カーナビに代表される自動車への経路情報案内と同様に、地上における歩行者への経路情報も整備が進みつつある。しかし、これら経路案内サービスには緯度経度情報を持った地図が必要であり、地下街や駅の構内、巨大なショッピングモールやテーマパークなどでは、既存の経路案内サービスが使えないというのが現状である。また、このような施設内の経路案内は汎用性が低く、経路情報の登録や経路エンジンの利用なども個別対応となり、サービスを利用する際のコストが高くなる要因となっていた。NECが開発した経路作成ソフト「ルートビルダー」は、マウスを使った簡単な操作で経路情報を作成することができる。

図15 ルートビルダー

図15 ルートビルダー

ルートビルダーには次のような特徴がある。 ・正確な地図はもちろん、絵地図(イラストマップ)を利用して経路情報を登録できる。
・すでに作成されている案内図や、Web上のルートマップを流用できるので、地図の製作費用が削減できる。
・マウスを使って簡単に操作でき、またルートビルダー用のXMLで経路情報を登録できるので、専門家に依頼する必要がない。
・DRM21フォーマット(Digital Road Map標準フォーマット21)の経路情報をサポート。既存の地上経路情報(自動車道路経路情報)のメンテナンスが可能である。
・イラストマップを利用した経路情報とDRM21形式の経路情報を接続して、1つの経路情報とすることができる。また、これによって、駅構内→地上(既存サービス)→地下街→店舗内といった、切れ目のない経路案内サービスが実現できる。
・経路情報の形式として、ルートビルダー用XMLとDRM21の他、G-XML (Geospatial-eXtensible Markup Language)をサポートしている。

ルートビルダーは現在製品化に向けて準備中である。神戸で行われた自律移動支援プロジェクトの実験では、実際に市街の歩行者経路を作成し、それによって利用者を目的地まで案内することが可能であることが確認された。実際の運用にはまだ実験が必要だということだが、近い将来、すでに紹介した「インフォサイン」と連携し、地下街やショッピングモールの案内役として活躍することになりそうだ。
 NECでは、人間を感知して動画や音声で情報を提示する「街頭情報ステーション」の実験なども行っている。
 「街頭情報ステーション」は、開発プラットフォームとして「T-Engine」を採用し、ucodeタグ(ユビキタスIDが記録されたRF-IDタグ)の検知機能や無線LAN機能などを持つ情報ステーションである。
 上野で行われた「上野まちナビ実証実験」では、参加者が上野動物園や上野公園内を歩き、あちこちに設置されたucodeタグにユビキタスコミュニケータをかざしたり、「街頭情報ステーション」を利用したりして、さまざまな情報を取り出すことでユビキタス社会を疑似体験したという。まだデモンストレーションの段階ではあるが、こうした実験の積み重ねこそが、来るべき「歩行者ITS」の姿を構築していくといえるだろう。
 なお、NECでは、ユビキタスコミュニケータでucode解決を実現するために、交換機とゲートウェイサーバを使用している。ユビキタスコミュニケータで読み取ったucodeは、まず交換機経由でゲートウェイサーバに送られる。ゲートウェイサーバはその情報をucode解決サーバに送り、折り返し解決して得られたコンテンツアドレスを受信する。さらにゲートウェイサーバは、そのアドレスから取り出したコンテンツをユビキタスコミュニケータに送り返す、というものである。

図16 ucode解決関連技術

図16 ucode解決関連技術

この他、NECでは、白杖を持った歩行者を認識して音声で案内する「視聴覚案内システム」の開発や、「障害者等ITバリアフリープロジェクト」への参加など、歩行者ITSに向けたソリューションの提供に、積極的に取り組んでいる。
※Bluetooth®は米国Bluetooth SIG.Inc.が所有している商標です。

4-3 DSRC小型路側装置

2006年3月、(財)道路システム高度化推進機構が、ETC車載器の「利用車番号」を民間に開放した。普及の進むETC車載器を使って、さまざまなサービスの提供が予想されている。今回、最後にご紹介するのは、ETC車載器の機器番号を読み取る「DSRC小型路側装置」である。

図17 DSRC小型路側装置   「DSRC小型路側装置」の特徴は以下のとおり。

・ETC車載器の「利用車番号」で車両を特定できるため、車で来店する施設で入退場管理や停車中の紐付け決済などのサービスが実現可能。
・「利用車番号」の読取りに特化し、アンテナと通信制御部分を一体化。従来の民間用路側装置と比較して体積を約20分の1に小型化。
・「利用者番号」の読み取りに特化。機能の簡素化により、従来の民間用路側装置と比較して価格を低減。
・小型化により設置スペースや筐体数の削減が可能。
・通信線と電力線を兼ねた規格(Power over Ethernet)の採用により、電源工事を必要とせず、設置工事のコストを抑制。
・レーザーポインタを組み合わせ、簡単に電波放射方向を調整できる機能を備える予定であり、電波反射が起きやすくかつ隣接する車線での混信を避けたい場所での設置において使い勝手を向上。

「利用車番号」を活用したビジネスとしては、ガソリンスタンドやドライブスルーでの停車中の紐付け決済や、駐車場での円滑な入退場処理などが考えられる。

図17 DSRC小型路側装置

図18 活用が考えられるビジネス

図18 活用が考えられるビジネス

DSRC小型路測装置は従来品に比べて安価で小型で扱いやすく、上記のようなビジネスを展開する上で、大きな推進力となるのは間違いないだろう。

まとめ

ITSが歩み出した1995年、まだVICSもETCも実現されていなかった。当時はコンピュータネットワークという言葉が耳に新しかったと記憶している。10年後の今、ほとんどの人が携帯電話を持ち歩き、インターネットは爆発的に普及した。通信インフラは、当時からみればSFのようなレベルまで発展している。車がひとつのノードとして、インターネットに組み込まれていくのは時間の問題だろう。ITSの更なる普及と進化によって、道路交通はより安全で快適なものになっていくだろう。
 だがしかし、気がかりなこともある。取材を進める中で、ユビキタスコミュニケータの技術は、携帯電話のようなものにも応用できるということを伺った。それは企業として微妙な問題をはらんでいるということも。たとえば、この技術が次世代のインフラとして標準化され、すべてのメーカの製品に搭載されると、開発した企業の優位性は失われてしまうのである。お金をかけて技術を高めてもなんにもならない、ということになりかねない。
 これは、日本を始め諸外国がしのぎを削るITSの規格についても同じことがいえるだろう。日本で生まれたインターネットITS技術が、ITSの世界標準として世界各国で採用されていくことは喜ばしい。しかし、日本の技術者の努力の結晶が、標準化の名の下に無効化されてしまうのは、なにか割り切れないものを感じてしまう。やや余談が過ぎるかもしれないが、こうした公共性のある技術については、国家としての先見性や政治力が、民間の開発力と同等に、あるいはそれ以上に重要であろう。この点については、日本の国としての対応に期待するしかない。 さて、今回の取材で特に印象に残ったのは、歩行者ITSによる自律移動支援プロジェクトである。健常者にももちろん便利なツールだが、障害を持つ人や高齢者にとって、これほど普及が待たれる技術もないだろう。そして、開発する側にとっては、技術以上に「心配り」が求められる難しいシステムだとも思う。たとえば、視覚に障害がある方のためには音声や振動による案内が必須であろうし、高齢者の方には大きな文字を使った見やすい表示を行う必要があるだろう。
 精度よく歩行者の位置を検出したり、端末を軽量化したり、路側に設置する情報機器のコストを下げたりといった、技術的・経済的な課題も重要だが、利用者をさりげなく支えるNEC開発陣の配慮こそが、これらのシステムを支えているに違いない。
 すべての人が安全で便利に過ごせるように、これからも暖かみのある歩行者ITSソリューションを開発していっていただきたい。 最後になったが、貴重なお時間を取材のために割いてくださったNECのみなさまにお礼を申し述べたい。ありがとうございました。

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