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(第1回) |
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(第2回) |
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5.「CORINS-EX」をポータルの軸に |
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6.「CORINS-EX」の特徴―XMLとOSSで効率アップ |
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7.研修セミナー事業―現状と問題点 |
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8.CICの今後の方向性 |
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21世紀を迎えて、従来型の公共投資の大幅な削減から建設業界は、非常に厳しい時代を迎えているといわれている。こうした厳しい状況を打開するべく、「有限責任中間法人 建設情報化協議会(CIC:Construction Information Consortium)」では、建設会社とIT企業が同じ組織で活動し、新しい建設業のあり方「持たない経営」を研究している。
今回は、有限責任中間法人 建設情報化協議会 理事吉田信雄氏に、お話を伺った。
有限責任中間法人 建設情報化協議会(以下、CIC)は、今から13年前、1994年6月に「建設データベース協議会」(任意団体)として発足した。翌1995年には、Windows版「提出書類作成システム」をリリースしている。1998年には土木データベース協議会が、2000年には同協議会 関西支部が発足し、写真管理ソフト「写真の達人」(1999年)、電子納品支援ソフト「電子納品の達人」(2000年)が相次いでリリースされている。また、2001年12月には、「CORINS-EX協議会」(任意団体)が発足している。
2002年には「建設データベース協議会」の土木部会を再編成し、翌2003年4月に土木部会と建築部会が合同で「有限責任中間法人 建設データベース協議会」を設立している。この2003年は「建設データベース協議会」にとっては飛躍の年であり、「環境リサイクルハンドブック」の出版、ASP間のデータ連携実証実験の実施、「情報共有システム」(国土交通省)の開発・実証実験、「環境リサイクルハンドブック」のXML化、「CORINS-EX」の5回目のバージョンアップなど、さまざまな方面での活躍が注目されている。
翌2004年4月には、「土木部会」と「CORINS-EX協議会」が合流し、同年9月に建築部会と分かれる形で「有限責任中間法人 建設情報化協議会」が設立された。法人格を取得しなければならなかった経緯としては、これまで構築してきたシステム、特に「CORINS-EX」の販売やその他の事業展開において、任意団体のままでは契約もできないというのが大きな理由とのことである。CIC発足後は、「電子納品研修事業」(2005年開始)や「CORINS-EX」の販売を主たる事業として展開している。また、2006年には埼玉および、北陸にそれぞれ支部が設立され、その活動範囲も広がりを見せている。
| 1994年06月 | ・建設データベース協議会が任意団体として発足 |
| 1995年11月 | ・提出書類作成システムのWindows版完成 |
| 1998年10月 | ・土木データベース協議会発足 |
| 1999年10月 | ・写真管理ソフト「写真の達人」を開発 |
| 2000年11月 | ・土木データベース協議会関西部会発足 |
| ・電子納品支援ソフト「電子納品の達人」開発 | |
| 2001年12月 | ・CORINS−EX協議会が任意団体として発足 |
| 2002年04月 | ・建設データベース協議会 土木部会再編成 |
| 2003年04月 | ・有限責任中間法人建設データベース協議会設立 |
| 【解説】ここでは、土木部会と建築部会(建設部会ではありません)が合同で、「有限責任中間法人建設データベース協議会」を設立しました。 | |
| 2003年06月 | ・環境リサイクルハンドブック完成、出版 |
| 2003年09月 | ・ASP間のデータ連携(データ交換)実証実験 |
| 2003年10月 | ・国土交通省「情報共有システム」開発・実証実験 |
| 2003年12月 | ・「環境リサイクルハンドブック」のXML化完了 |
| ・CORINS-EX、5回目のバージョンアップ完了 | |
| 2004年04月 | ・「土木部会」と「CORINS-EX協議会」が合流して新法人設立準備 |
| 2004年09月 | ・建設情報化協議会(CIC)設立 |
| 2005年02月 | ・電子納品研修事業開始 |
| 2006年04月 | ・埼玉支部設立 |
現在に至る。 |
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CICの役員、運営委員会等の構成は、以下の通りである。
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CICの会員構成で特徴的なことは、建設会社(正会員:43社)、IT関連企業(賛助会員:42社)と、ほぼ半々で構成、運営されていることである。通常この種の協議会では、IT関連の企業はほとんど参加していないのが一般的である。これは、設立当初の目的のひとつ「CALSをきちんと展開する」ために、IT企業の参加を促したとのことである。しかしその後、CALS事業は停滞気味となり、現在の事業は、研修事業と「CORINS-EX」の販売が主体となっている。研修事業も当初は、CALSの電子納品などのテーマが多かったのだが、今年度に入って、公共工事の品質確保促進にかんする法律(品確法)の総合評価方式に対する研修が非常に多くなり、週のうち3〜4日は全国の自治体で研修を行っている状態であるという。
このように事業の主体が建設よりに移っているため、IT企業のメリットが薄れているのも事実だが、各社のIT関連の製品を紹介する場としての、CICの役割も考えているとのことだ。いずれにしても、CICのあり方が、立ち上げ当初とは変化しているのは事実であろう。もうひとつの事業の柱である「CORINS-EX」。こちらは、2001年に設立された「CORINS-EX協議会」のメンバー32社(建設会社)が主体となって活動を行っている。
<参考>CIC会員ページ http://cic.dynalias.com/meibo/member_01.html
図2-1 CICの正会員と支部会員(一部)
2006年度の大きな動きとしては、埼玉と北陸にそれぞれ地場の建設会社を中心とした支部が設立されたことがあげられる。支部が設立された経緯は、やはり品確法であるという。品確法に則った施工計画の提案ができないといけないであろうということで、その指導を主たる目的として、まず埼玉に、続いて北陸に支部が設立されたとのことである。埼玉支部は今年2年目を迎え、かなり活発に活動しているとのことである。今後このような支部が増えることを期待して、いろいろな支援を行っている状態である。

図2-2 CICの賛助会員(一部)
現在のCICの主たる財源は、正会員および支部会員からの会費となっている。会費は、正会員が100,000円、支部会員が50,000円となっている。賛助会員であるIT企業も、100,000円となっている。近年、建設業界では企業の合併や廃業も多くなっており、会員の数が減るなど、財政的には非常に厳しいものがある。会費の値上げ等も検討しているのだが、100,000円という会費でもなかなか入会してもらえない現状を鑑みるに、100,000円以上に値上げをしたら、退会する企業が増えるのが必至とのことである。
現在は、「CORINS-EX」をうまく活用した会員獲得を模索しているという。また、各会員は企業人であるため、本来の業務を措いてCICの業務を行うわけにはいかないが、その企業がどうしても欲しいというシステムや技術については、それなりに企業にとってもメリットがあるため力も入るという。そうはいっても、全部が全部、需要と供給が合致するわけでもないので、そのあたりのバランスが難しいという。もうひとつ、正会員から見ると支部会員は、コンペティタになる恐れがあるという問題もあるという。地場の大きな工事になると、支部会員の会社でも提案書を作成して、競争をしなくてはならない。そうした状況も考慮に入れると、なかなか全面的な現役の協力というのは難しいのが実情であるという。
こうした厳しい財政難を打開するひとつの方策として、CICでは「建設マネージメントフォーラム」(以下、CMF)を主催している。ここでは団塊の世代を中心に、建設OB 100名ほどにエントリしてもらい、状況に応じて国土交通省や自治体、民間企業の業務支援を行うような体制を検討しているという。以下に、CICのサイトよりその概要を転載する。
--------------- 「21世紀を迎えて従来型の公共投資の大幅な削減から建設業界は非常に厳しい状況に置かれている。
このような状況下において、国土交通省から平成17年4月に『公共工事の品質確保の促進に関する法律』が施行された。この公共工事の品質の確保のための主要な取り組みとして総合評価方式の適用があげられる。
これは従来のコストだけを重視した考え方から、競争参加者、即ち建設業者の技術的能力も高く評価するというものである。
また、CALS/EC(電子入札・電子納品)の全国展開も2010年と間近に迫っている。
そして、2007年問題(いわゆる団塊の世代の定年、リタイア)に象徴されるように、20世紀を支えてきた建設マネージメント技術をどのように伝承していくかも大きな課題として浮かび上がっている。
このような背景を踏まえて、建設分野とそれに関わる技術者を中心にした「建設マネージメントフォーラム(CMF)」を設立し、中堅・中小の建設業者、地場建設業者の要望に応え、健全な建設業が育成されることを支援することにより、21世紀の建設業界全体の発展に寄与するものである。」---------------
CICトップページ「建設マネージメントフォーラム CMF」からリンクが張られている。
図3-1 CMFのトップページ
本来であれば、CMFにエントリしているスタッフに、定期的に仕事が回れば理想的なのであるが、現実には10人程度がフルに活動しているというのが実情であるという。国土交通省の施策からすると、役所でも職員が不足しているため、品確法、総合評価方式、検査・審査など、業務自体の需要はあるはずなのだが、なかなかうまく軌道に乗せることができずにいる。
反面、エントリしているスタッフにも問題がないわけではない。特に団塊の世代は「パソコンに弱い」、というのが大きな問題となっている。パソコンの指導ということになると、またそこにコストがかかることになり、全体的には見合わないものになってしまう。本来であれば、自身で勉強してくれるのが一番望ましいのだが、大体その年代はアンチパソコンが多いという。
CICのサイトには、同組織が理念とする「持たない経営」を具現化する方策・ツールを図式化したものが掲載されている。サイトのこうした理念を見て、IT企業だけではなく、人材派遣会社、レンタル会社などが参入を申し入れてくることも多いという。ある程度、どこかで協業できないかと、期待があるのは当然のことといえよう。
しかし、こうした建設会社、IT企業以外からの参入は、CICとしても歓迎する反面、各社の調整には気を使う面も大きい。実際にポータルを立ち上げる際に、新しく作るよりもせっかく仕組みがあるのだから、そのような場を利用しようという話になってくると、どこに絞り込むのかということが議論になる。企業の色が付いていると、なかなかそこから先に進まないのが実情のようだ。
こうした意味でも、ポータルの構築では、仕組みにコストがかかる、参加企業の調整が難しいなど、クリアすべき課題が山積している。大手建設会社が資本投下しているポータルもあるにはあるが、なかなかうまく稼動していないというのが実情のようである。
ここでは、CIC会員相互が厳選したソフトウェア・各種サービスが集まるサイトを構築する。サービス提供を支援するシステムの構築と運営を行う。会員相互に厳選して推薦されたサプライヤーを会員相互に共有する。コストメリットを追求できるポータル構築を目指す、などの理念が掲げられている。
図4-1 CIC建設ポータルの概念図
コクヨや大塚商会のシステムを、独自に導入している建設会社も多数あるという。こうしたシステムは一社で導入するのではなく、共同で運営した方がコストが低減できるのは事実である。しかし、ここで社内での予算と、外部への投資という問題が出てくる。社内の予算内で運用している分には問題ないが、外部に資本投下するとなると、そのリスクをどうするかという問題が表面化するというのである。こうした問題に対する明確なソリューションが提示できない限り、現状の建設業界では稟議も上げられない状態だという。共用できる場があれば利用するが、投資はできないという考えが大勢を占めているということのようだ。CICでは、業界のこのような流れを変える手段のひとつとして、「CORINS-EX」の有効活用を考えている。
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