| 建設リサイクルの認知度向上のために |
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柳澤
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建設リサイクルを推進していく上で、国民との合意形成が重要なポイントになっています。この点について、杉山さんはどうお考えでしょうか。 |
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柳澤 茂樹氏
| 1978年 |
東京工業大学大学院総合理工学研究科修士課程社会開発工学専攻修了 |
| 1978年 |
建設省入省 |
| 1990年 |
建設省九州地方建設局佐賀国道工事事務所長 |
| 1993年 |
建設省近畿地方建設局事業調整官 |
| 1994年 |
建設省近畿地方建設局環境審査官 |
| 1995年 |
建設省大臣官房監察官 |
| 1998年 |
建設省建設大学校研修企画官 |
| 2001年 |
財団法人日本建設情報総合センター研究第二部長として現在に至る。 |
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杉山
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国民、消費者、住民にとって牛乳パックや空き缶などの身近なものに対してリサイクル意識は抱きやすく、また目に見えるので安全・安心といった認識もしやすいですね。
しかし、建設廃棄物も含めて産業廃棄物は何か自分たちとは別世界で、しかも、環境を悪化するような処分がされ、被害を被っているのではないかという疑いあるいは不信感が拭い切れず、また一方で処理過程も理解できにくく見えないため、自分が被害を受けるだけでなく、もしかしたら住宅を持つ人なら知らないうちに加害者の立場にもなるといった、喜ばしくない二面性的特徴があるのではないでしょうか。
そして、どちらかと言えば被害者意識の方が先行していて、自分たちの問題だという加害者としての認識が薄いように思います。国民の合意形成を進めるには、まずはこの後者の問題意識をどう掘り起こすかから始めるべきではないでしょうか。どうやって見えやすくしていくか、自分の身近なものとして感じてもらえるか。それには、どういう情報を国民が望んでいて、その情報をどうすれば的確に提供することができるかが非常に大きなポイントになると思います。
1つに、建設リサイクル法の中で、解体時には個人の住宅でもきちんと分別をし、一個人としても、コスト負担という形で責任を全うしなければいけなくなったことは意識を高める上でも大きな効果があると思います。
また例えば、現在どこの小学校でも4年生になると清掃工場、焼却施設を見学することになっています。これに対し、子供たちは予想以上に興味を持ち、感想文や絵を一生懸命書くのだそうです。同じように中間処理業の現場なども、子供たちだけでなく町内会の人々や、関心のある方には是非見学できる機会と場を与え、身近な問題として捉えることができるようなシステム作りも有効ではないかと思います。 |
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藤井
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建設リサイクルに対する一般国民への浸透が不十分であると思います。内閣府が平成13年7月に実施したリサイクルに関する法律の認識度についてのアンケート調査によれば、建設リサイクル法の認知率は10数%です。
去年の夏というアンケート時期を差し引いても、認知度10%では認識度が低いので、今認知度を上げる努力をしているところです。一方で、建設建築業界の中にもまだ正確な知識がいき渡っていないところがありますので、講習会などを頻繁に開き建設リサイクル法の認知度を高める活動をしています。その折にもなんとか建設リサイクルを身近に捉え、イメージしやすい説明を心がけています。
例えば、講習会には住宅メーカーの方が結構参加しています。解体があると、必ず次に新築がある、セットで考えられているからですね。
すると、住宅メーカーの方が一般の国民に「建設リサイクル法」の内容と趣旨を説明しなければいけない。その時に、「建設廃棄物が全国でこれぐらい出ています。だから、分別解体が必要です」と言ってもピンときません。そこで、法律の対象になっている解体工事規模が80uですが、80uの家を壊すとどれぐらいの廃棄物が出るかの例を出しています。この場合、木造と非木造を合わせて平均で42トン出ます。これは結構すごい量なのです。木造家屋でも30数トン出ます。しかし、皆さんは、これはどのくらいの量なのか実感しにくいんですね。そこで1世帯が1年間に出す生ゴミの量と比べてみます。これが、1トン弱ほどなんですね。そうすると、家を1件解体して出る廃棄物量は、1世帯の生ゴミのおよそ40年分から50年分ぐらいゴミに相当するのです。そのときに、これまでのように分別しないことに問題はないでしょうか、40年分のゴミを一気に捨てるのであれば、適切な費用負担が生じてもやむを得ないのではないでしょうかと言った方が、ご理解いただけると考えています。 |
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大平
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今回の建設リサイクル法では、1つの特徴として、それぞれの役割分担が、例えば発注者、建築主が事前に行政に届けなければなりません。これは、大変な前進ではないでしょうか。まずは、これにより発注者、一戸建てなら国民が義務の意識を抱かざるを得なくなったことが挙げられます。
また、はっきりと廃棄物費用は発注者が出して、受けた排出事業者が支払うことになっています。廃棄物費用を建築主と元請の請負契約で取り交わす、そうはっきり明記しています。検討課題の多くあった解体廃棄物のところにスポットを当てているのも前進になっていくのではないかなと思います。 |
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植田
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国民的な関心というのは、潜在的には随分大きいと思います。個々の建築物は個人のもの、あるいは企業のものでありながら、同時に、それらが全体として都市、国土を形成していることに繋がっているという、いわゆる公的な一面も持っています。ですから、やはり自分の家を建てかえるというのは、ある種のまちづくりの一環であるという側面を持つという意識を持てるようにするといいですね。
ですから、私は、日本の国民的な意識として、そういうまちづくりへの関心とか、国土空間への関心とかが高まるような仕組みづくりも、今後ますます大事だと私は思います。 |
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| 建設リサイクルの展望 |
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柳澤
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最後に、建設リサイクルの展望につきまして、期待も含めて皆様にお伺いします。 |
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藤井
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どのリサイクルでもそうですが、多くの様々な関係者がいます。それぞれの関係者が、それぞれ役割を果たすことが重要です。
建設リサイクルも当然そうですが、他のリサイクルと比べると、行政の占める範囲が大きいというのが特徴でもあります。その行政の占める役割と責任の大きさを認識し、その役割を真摯に果たしていこうと考えています。 |
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大平
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私は、現場で分別し巡回回収してきた結果、出す方の仕組みは大体できてきたと思います。問題は、循環型社会システムにおいて、出したリサイクル相当品を再資源化施設でもう1度再生品にしてもらって、それをまた現場で使う努力が不足していることだと思います。現場で使えなくても、ほかの産業界で再生品を使ってもらう努力、意識を強く持つことが重要です。今でも、例えば土木工事が不景気になると、コンクリートガラが山のように積まれてきて在庫の山となります。
ですから、静脈産業の仕組みを制度的にも、法律を絡めてもう少し整備していただき、再生品を使用せざるを得ない仕組みが必要ではないでしょうか。
グリーン購入法が制定されて、我々はそれに基づいて再生品を使いましょうと、社内では100品目ぐらいを決めています。私は、こういった制度も利用し、もう少し強い制度にして、ある程度、その方向に誘導していただいた方がいいと思います。 |
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杉山
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建設廃棄物量は大変なものですね。もちろん、その資源を再利用する重要性は言うまでもありません。しかし、もう少し俯瞰的にリサイクルを捉えますと、建設業の外からも、建設業というのは資源の受け皿としてもかなり期待されている業界なんです。使えなくなった色ガラスを細かくして路盤材に使用して欲しい、あるいはエコセメントいったように色々な形で、使えなくなると建設業でぜひ利用して欲しいという声がでてくるといった現実があります。ですから、より効率的な他産業との連携を踏まえたリサイクルシステムづくりにも着目していただきたいですね。 |
エコセメント
エコロジーとセメントの合成語であり、都市ゴミ焼却灰や下水汚泥等の廃棄物を主原料としたセメントのこと。普通型エコセメントと速硬エコセメントの2種類がある、後者は速く固まり、建築用ブロック、外壁材、屋根材、積みブロック、汚泥固定化材等幅広い用途を持ち、行き詰まった都市ゴミ問題に対し、再利用、再資源化に沿ったセメント。 |
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植田
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100年といったロングスパンで捉えれば、構造物自体を資源の備蓄、都市鉱山と見なせます。循環という方向性がはっきり出てきた現在、まさに世紀を超えるシステムの構築時期ではないでしょうか。新たなシステムが動き出し、それに伴い、いろいろな新しい課題が生じています。そしてこの課題、テーマは従来に比べるとスケールが大きい。生産から処理だけしていればいいのではなく、再利用するところまで考えなければならないことを考えれば、日本の経済構造全体といった大きなテーマに結びついていく、それが循環型社会の持つ意義ですね。それだけに希望を言わせていただくなら、あらゆる実験的な取組み、チャレンジをし、国民的理解を得ながら、かつて経験の無いテーマだけに、やってみないとわからない社会実験精神が大切だと思います。今不況なのですが、あえてチャレンジしようという活力を今こそ期待したいと思います。 |
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柳澤
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非常に限られた時間でございましたが、貴重なご意見をいただきましてありがとうございました。 |
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