平成22年8月5日・6日の2日間、ホテルはあといん乃木坂において、(社)土木学会情報利用技術委員会(委員長:吉清孝)と(財)日本建設情報総合センター(理事長:門松武、以下JACIC)は、共同主催による第6回アジア建設IT円卓会議を開催した。
同会議は電子調達・ヴァーチャルコンストラクション・GISなど近年アジア各国でも活発になっている建設分野へのITの利用について、アジア各国の建設ITに関わるキーパーソンが一堂に会し、技術開発や技術政策のあるべき方向に関する議論を行い、継続的な人的ネットワークを構築することをねらいとしている。平成17年度から毎年1回開催しており、今回は中国・韓国・シンガポール・フィリピン・タイ及びアジア開発銀行(ADB)から政府関係者等を9名招聘した(タイ、フィリピンとADBは初参加)。
1.会議内容
会議は、柴崎亮介東京大学教授を議長に別紙1の議事次第に従って行われた。第1日の午前中は、継続事項となっている「アジア建設ITデータブック」の更新と「建設IT多言語用語集」の状況報告、各国の建設情報分野に関するレポートが行われた。午後はJACIC秋山標準部長を座長に「電子調達」に関する特別セッションを行い、アジア開発銀行首席専門官ファン氏からの「ADBにおける電子政府調達の政策と実践」という報告をはじめ、各国での電子調達制度の比較と情報交換を行った。この中でJACICは電子入札システムにおける「コアシステム」の紹介をし、各国参加者の注目を浴びた。
ネットでの入札情報の公開については、参加国全てで運用中である一方、電子入札システムの導入は日本と韓国および中国の一部で実施されており、電子契約は韓国のみで稼働中であるなど、各国での普及レベルは異なっているものの、各国ともに公共調達は電子化の方向に進んでいることが明らかとなった。またADBでは電子調達がコスト削減だけでなく、調達における透明性向上・不正防止の効果もあるとして積極的に普及活動を行っているとの報告がなされた。
第2日は、午前中主催者側からの報告として、土木学会「情報利用技術委員会国土基盤モデル小委員会の活動」とJACIC「コリンズ・テクリスシステムの概要」の2点について発表した。午後には参加者からの追加報告および議長による総括と次回への作業項目がまとめられた。
2.次回はソウルにて開催
次回2011年(第7回)開催については、韓国側からソウル開催が可能という提案があり了承された。詳細日程等は未定。
会議の内容に関しては、今後「JACIC news」「建設マネジメント技術」や「建設情報研究所研究発表会」(JACIC主催;平成22年10月開催予定)でも報告する予定。
また、プレゼンテーション資料、議事録等は以下のアジア建設IT円卓会議のサイトで公開している。
:http://www.jacic.or.jp/acit/index_j.html
【問い合わせ先】 |
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(財)日本建設情報総合センター |
標準部 |
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秋山・河内 |
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電話:03-3505-0419 FAX:03-3505-1610 |
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