Web版土木積算システムの提供
最新の制度・基準に対応した、操作性、保守性の高い積算システムを提供
(一財)日本建設情報総合センター(JACIC)が公共発注機関に提供している土木積算システムは、これまでの国土交通省の積算関連業務から得た経験・ノウハウが活かされており、積算者の負担が少なく、使いやすいと評価されています。
特長は、ユーザーのシステム保守管理負担軽減に主眼をおき、OSやミドルウェアが変更されても影響されないなど移植性・汎用性の高いシステムとしています。さらに、国土交通省の積算制度に適時標準機能として対応し提供しており、これまでに総価契約単価合意方式や設計業務等における新たな積算手法に対応し標準機能として搭載しています。また、国土交通省が導入した「施工箇所点在」や国土交通省「工期設定支援システム」へ取込むCSV ファイル出力についても標準機能として対応しています。
主な特長
工事工種体系ツリーによる工種、種別、細別の選択から施工単価の入力条件が視覚的に一連の作業で行なえます。
国土交通省の工事工種体系ならびに積算基準書に準拠するとともに、年度の基準改定にも迅速に対応します。
受発注者間の工事契約における設計変更や部分払いに伴う協議の円滑化を目的に国土交通省が採用している積算手法にも対応しています。
国土交通省が公開している、建設現場における週休二日対応の工期設定を支援するツール「工期設定支援システム」に取込むCSVファイルの出力が可能です。
主なメリット
【積算者のメリット】
操作性の統一
土木工事を始めとして、測量・調査設計、機械設備等を同一システムにて対応しているので、統一された操作で利用可能
効率的な積算
工事工種体系ツリー選択により内訳書を自動生成すると共に、体系に付加した属性情報により「主たる工種」や「諸経費対象・非対象」を自動判別し、効率的な積算を実現
豊富な計算機能
逐次計算、スライド積算、単価置換時の一括再計算、複数設計書の間接工事費率の近接追加調整及び同時調整機能等の豊富な計算機能
設計書機能の充実
他設計書の参照・引用機能、合算設計書作成、XML・CSV形式による設計書出力、設計書自動バックアップ等の設計書に関する機能が充実
積算者支援機能
基準書の参照機能、条件入力時の注意喚起機能、数値基準による設計数量チェック機能等の便利な積算者支援機能
【システム管理者のメリット】
国土交通省の工事工種体系・積算基準の改定に迅速に対応
- 新土木工事積算大系に沿った工事工種体系による処理形式です。
- 国土交通省の積算基準改定(施工パッケージ型積算方式等)への対応を迅速・正確に行います。
- 総価契約単価合意方式にも対応しています。
導入・保守作業を軽減
- システム・データ更新をサーバから自動ダウンロードするため、クライアントへのインストール作業が不要です。
- オープンで標準的なミドルウエアを使用していますので、OS のバージョンアップ等に起因して発生していたメンテナンスコストが低減できます。
- 設計書データの一元管理による、関連システムとの連携や各種集計・分析が容易です。
セキュリティの確保
- クライアントに設計書データを持たないため、セキュリティを確保できます。
- SSL によるセキュアな通信により、盗聴・改ざんを防ぎます。
イメージ画面
主要機能
主な機能 | 概要 | |
---|---|---|
セキュリティ | ユーザ認証 | システム管理者権限、システムユーザ権限のチェックを行う。 |
設計書作成 | 鏡の作成 | 設計書の鏡情報の入力、及び帳票の出力。 |
直接工事費の算出(工事工種体系) | 工事工種体系完全対応により、施工単価選択(細別情報)、施工条件入力のみで単価表の生成 ( 施工単価計算)、直接工事費の積上げをリアルタイムに行う。 | |
オプション入力 | 積算者が工種体系、単価表内、任意の位置へ独自の構成を追加することが可能。 | |
工種体系検索 | 異なる工種の工種体系を検索し、編集中の設計書へ追加することが可能。 | |
独自単価表 | 機械、労務、材料等のマスタデータ、及びオプション入力を利用し、積算者独自の単価表作成が可能。 | |
属性変更 | 構成行毎に歩掛適用年月、単価使用年月、単価地区等の設定が可能。 | |
機械、労務、材料単価補正 | 豪雪割増、岩石割増等による機械損料補正、超過時間等による労務単価補正、及び単価補正率による材料単価、施工単価の補正が可能。 | |
登録単価 | 設計書毎の登録単価を予め作成することが可能。また、施工条件入力時に未登録単価が発生した場合は自動的に登録単価画面を表示する。 | |
間接工事費の算出 | 直接工事費の算出と同時に共通仮設費、現場管理費、一般管理費等の間接工事費の算出も行なう。リアルタイムで計算されるため常時直接工事費と整合性のとれた間接工事費を参照可能。また、各間接工事費率に対する補正の設定も可能。 | |
変更設計 | 設計内訳書、単価表の 2 段表示により前回、今回設計内容の比較が可能。 | |
出来高設計 | 設計内訳書の 2 段表示により全体分、出来高分の比較が可能。 | |
各種スライド設計 | スライド基準日を指定することにより、スライド後の単価を取得、出来高数量入力による残分の自動計算、及びスライド額の自動計算を行う。 | |
小規模施工の積算 | 1 日未満で作業が完了するような小規模施工の積算が可能。 | |
週休 2 日の間接工事費 | 週休 2 日による工事の発注を推進するため、必要な間接工事費の計上が可能。 | |
外部設計委託への対応 | 震災発生時等、自治体外(他自治体、コンサルタント会社等)へ設計書作成を委託する場合、単価の乱数化や機能制限を行う。(個別対応) | |
施工箇所点在型の積算 | 施工箇所が点在する工事の積算が可能。 | |
消費税複数税率の適用 | 変更設計書における増額分の金額について、当初設計書設定とは異なる消費税率の適用が可能。 | |
総価契約単価合意方式 | 国土交通省準拠の積算が可能。請負代金内訳書、発注者用単価協議資料、単価合意書を出力可能。 | |
設計書保存 | 編集中の設計書データの保存が可能。また、アップロード機能、ダウンロード機能により特定のサーバへ保存・蓄積も可能。さらに、関連システムとの連携を考慮し XML、CSV 形式での出力が可能。 | |
設計書印刷 | 設計書帳票のプレビュー表示、部分印刷、金抜き指定等が可能。出力帳票として、鏡、設計内訳書、単価表、間接工事費内訳、工事数量総括表、機労材集計リスト、入力データリスト 等がある。 | |
間接工事費調整機能 | 諸経費調整積算 | 近接追加調整、同時・部分発注による調整、予算調整等による間接工事費調整計算が可能。 |
合算設計書 | 土木実施設計書に対して、業務委託設計書を読み込むことにより合算設計書の作成が可能。 | |
本附帯工事 | 1 本の設計書内に本工事、附帯工事合わせて最大 20 本までの工事を設定することが可能。間接工事費計算では、合算工事に対する間接工事費を算出後、各本附帯工事へ按分する。 | |
積算者支援機能 | 集計項目表示 | 直接工事費、工事価格がリアルタイムで参照可能。予算を意識しながらの設計書作成が容易。 |
他設計書流用 | 作成済設計書の参照、及び部分流用が可能。設計書入力作業の負荷軽減。 | |
基準書参照 | 施工条件入力時、間接工事費画面参照時に該当する積算基準書を参照することが可能。 | |
条件入力時の注意喚起 | レベル 4 数量入力時、及び施工条件入力時に積算者に対する注意事項等の表示が可能。 | |
設計書自動バックアップ | 作成中の設計書データを自動バックアップする。マシントラブル時などにも迅速な復旧が可能。 | |
緊急停止 ST・掲示板 | 障害が検出された施工単価データを使用不可とする機能、及び管理者からの連絡事項等を掲示する機能。 | |
施工パッケージ計算過程出力 | 施工パッケージ型積算の計算過程について、Excel 形式(xls および .xlsx)出力に対応。 | |
工期設定支援システム対応 | 国土交通省が公開している、「工期設定支援システム」へ取込む CSV ファイル出力が可能。 | |
運用 | システム環境設定 | 施工単価、諸経費に関する端数処理等の設定が可能。 |
積算基準データメンテナンス | 簡単な操作で XML 基準データの取り込み、及び内容確認、編集が可能。豊富な内容リスト出力が可能。 | |
ヘルプデスクシステム | Web でのヘルプデスクシステムを整備しており、様々な利用団体からのご質問に、JACIC のヘルプデスクが回答した内容を共有することが可能。 |
システムの構成
動作環境
項目 | (2022年7月時点) | |
---|---|---|
積算サーバの動作保証 バージョン | OS | Windows Server 2016 Standard |
ミドルウェア | PostgreSQL 9.5, Apache 2.4.46, Tomcat 9.0.37 | |
Java 実行環境 | Java 17(OpenJDK) | |
クライアントの推奨スペック動作保証バージョン | OS | Windows 10 |
CPU | 1.0GHz 相当以上 (2.0GHz 以上推奨 ) | |
RAM | 4GB 以上推奨 | |
HDD | 空き容量 1GB 以上 | |
Web ブラウザ | Microsoft Edge, Google Chrome | |
ワープロ、表計算ソフト | Microsoft 2013,2016 | |
Java 実行環境 | Java 17(OpenJDK) |
積算ASP(Application Service Provider)
サービスの提供
- ※ 情報セキュリティ対策強化として、都道府県および市町村が共同整備・利用するインターネット接続環境である「自治体情報セキュリティクラウド」経由でも利用実績があります。
【参考】「積算ASP サービス」による災害復旧支援
平成23年3月の東日本大震災の際には、被災地外の公共発注機関職員が現地の災害査定積算を支援するための環境を提供しました。「積算 ASP サービス」では、現地に赴かなくてもインターネットを使用できる環境があれば、被災された公共発注機関の積算システム※にアクセスし、災害査定積算を行うことができます。
- 当財団の「積算 ASP サービス」の利用団体(平成 23年時点)である宮城県および仙台市の災害査定積算支援に利用。当財団は宮城県、仙台市からの要請を受けて、積算支援者用の ID・パスワードを発行
ASP(Application Service Provider)
情報システム等のソフトウェア(アプリケーション)をネットワーク経由で提供するサービス形態、およびそのサービスを提供する事業者のこと。
※1 JACIC からの提供内容は、「土木積算システム(ソフトウェア)」および「土木積算基準データ」です。別途、システムの稼働に必要なハードウェア(サーバ、クライアント)、OS・ミドルウェア、ネットワーク、システム運用管理要員、サーバ等の設置スペース、単価データ等が必要です。JACICとのシステム利用契約の締結により、土木積算システムおよび土木積算基準データの最新版、システム利用者向けのヘルプデスクサービスをご利用いただけます。なお JACIC では、サーバ等を調達しなくても、インターネット上から積算システムが利用可能な「積算 ASP サービス」も提供しています(5 ページ参照)。
※2 情報セキュリティ対策強化として、インターネット接続系から分離するための仮想クライアント環境からも利用実績があります。