<改訂のポイント>
JACIC クラウドのルーム機能がどのように使えるか、「JACIC ルームの利用」
について具体的に記載した。JACIC ルームの利用場面を明確にし、一歩、二歩、
三歩と段階的な活用術を提案して様々な場面において活用が可能であることを
示した。現場における DX の進め方について継続性を考えながら段階的に実現す
ることを提案した。
- ①JACIC ルームの一歩、二歩、三歩
JACIC ルームの基本的な利用方法を「はじめの一歩」「二歩目」「三歩目」の進化の 3 段階で示した。
- 「はじめの一歩」 仮想会議室の利用
- 「二歩目」 多機能な仮想会議室の利用
- 「三歩目」 マイルームの活用
- ② DX の段階的な推進
現場における DX の推進は、一足飛びに行えるものではなく、継続性を考えながら無理なくできるところから行うことを推奨する。 このため、以下の三段階で DX の実現を図る。
- 第一段階 既存方法の効率化
- 第二段階 既存方法の高度化
- 第三段階 新たな方法の構築
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【改訂内容】
- JACIC ルームは、様々な業務の利用場面に応じて柔軟に利用環境を提供します。Web 会議やファイル共有等一般によく用いられている初歩的な利用から、独自に専門画面や見える手順書(システム)等を構築して最適なマネジメントの運用まで利用者のニーズに応じた情報共有環境を提供しています。
JACIC ルームの利用に向けて、基本的な利用方法を 3 段階で示すとともに、JACIC ルームを用いて現場における DX の進め方について提案しています。
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①JACIC ルームの一歩、二歩、三歩
- JACIC ルームの基本的な利用方法を「はじめの一歩」「二歩目」「三歩目」の進化の 3 段階で示す。
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Ⅰ.はじめの一歩
- はじめの一歩は、一般に良く用いられる Web 会議、ファイル共有等の初歩的な利用であり、クラウド上の「仮想会議室」を利用する。テレワークの進展により、かなり普及、定着してきている ICT を用いた効率的な情報共有方法である。ただし ICT の活用ではあるが、Digital Twin など仮想空間や画像分析等の画面を利用した新たなマネジメント等の真の DX に至っていない。
- (1)はじめの一歩としての利用
- 一つの仮想会議室を利用事案ごとに利用
仮想会議室を並行して利用する機会が多い場合は、追加契約で仮想会議室の増加が可能
- 100 ある ID を利用者に付与
組織や利用事案に応じてグループ登録が可能
都度ゲストで利用者を招待可能
- ファイル共有は、共通フォルダーを介して簡単にやり取り
容量の大きいデータでも圧縮する必要はない
- 標準搭載以外の所有の Web 会議システムでも Web 会議が可能
- スマホ、タブレットでも参加可能
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Ⅱ.二歩目
- ICT プラットフォームを用いて現場の画像、3 次元統合モデルや 3 次元 GIS 等多様な機能を使える仮想会議室を実現し、目的に応じ、画面を利用した新たなマネジメントを実現する。目的毎に専門画面や見える手順書(システム)を構築して活用する。現場における DX の導入・実現を図る。
- (1)二歩目の利用
- 3 次元 GIS を標準装備
2 次元、3 次元の管内図(独自の図面)をベースマップとして利用可能
- 共有データや利用機能の利用者制限を設定可能
利用者に応じてデータの閲覧、取得のコントロール
仮想会議室における秘密保持、セキュリティの確保
- 現場情報は、LIVE、動画、360°画像など多彩
- 専門画面の構築・利用
- 見える手順書(システム)のオペレーション、マネジメント、アーカイブの 3 タイプの利用
- 他システムのデータの閲覧、取得も可能
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Ⅲ.三歩目
- デジタルマスターとして、JACIC ルームの基本形の利用だけでなく、現場の特別な事情や固有の特徴など独自のマネジメントを要する場合や創意工夫により高度化されたマネジメントを実施する場合などには、状況に応じたカスタマイズを行い、最適化する「マイルーム」として仮想会議室の構築・利用が可能である。現場密着型の新しいマネジメント方策を提供する。DX を実現し、仮想会議室を使いこなす。
- (1)三歩目の利用
- 専門画面の「お気に入りメニュー」の追加
既存専門画面において独自の機能の追加
- 独自の専門画面「お気に入り画面」の構築
独自のマネジメントを可能にする専門画面をカスタマイズ
- 独自の見える手順書(システム)の構築
独自の方法で見える手順書(システム)を構築
- ICT プラットフォーム(協調領域)の利活用
独自の機能を付加
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②利用場面に応じた機能
- 具体的に利用場面ごとに利用者、用いる専門画面や見える手順書、共有する情報をまとめました(表‐1)JACIC ルームでは、はじめの一歩であるファイル共有や Web 会議はもとより、二歩目、三歩目となる専門画面や見える手順書(システム)等によりあらゆる場面に対応が可能となり、新しいマネジメントの実現を支援します。
- 表-1 利用場面に応じた機能

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③業務タイプ別のルーム利用
- JACIC ルームの利用目的と利用機能、ツールから類型化を行いました。(表‐2)概ね4つのタイプに分けられ、それぞれの利用目的の特徴からルームの基本形を構築し、同様の利用者に基本形を基盤として提供します。利用者は、基本形のまま利用しても良いし、改良や独自にカスタマイズして利用しても良いです。利用ツールで ArcGIS を導入しているのは、2 次元、3 次元の管内図の利用を基本としているためです。基盤となる管内図は、白図と異なり必要なデータが盛り込まれています。地理空間における情報の利活用において必須としました。
- 表-2 業務タイプ別のルーム利用

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④DX の段階的な推進
- 現場における DX の推進は、一足飛びに行えるものではなく、継続性を考えながら無理なくできるところから行うことを推奨します。
第一段階として、既存方法を ICT の活用により、効率的な方法に切り替えていく。はじめの一歩である仮想会議室の活用や二歩目の多機能な仮想会議室の一部活用等により実現します。既存方法の切り替えのため、即効性が期待できます。
第二段階として、既存方法の効率化から高度化へ発展させる。このため、既存方法に囚われず、JACIC ルームの特性を考慮し、方法の応用や再編を考えます。二歩目の多機能な仮想会議室の活用による新たなマネジメントを実現し、三歩目のマイルームによりノウハウの蓄積など業務の高度化を図り、DX の導入を実現します。
第三段階として、DX 時代の新たな方法を独自に模索し構築する。また、現場密着型のマネジメントを新たに構築する。デジタルマスターとして、JACIC ルームの特徴を活かし、創意工夫のもと最適なマネジメント方策を創造して真の現場の変革を図ります。
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